外来案内

眼炎症外来(多摩永山病院でのみ実施)

眼炎症外来
(多摩永山病院でのみ実施)
(ぶどう膜炎、視神経炎、強膜炎)

月曜と金曜の午前に、眼炎症疾患(ぶどう膜炎、強膜炎、視神経炎など)の患者さまの専門診療を行っています。
特に、サルコイドーシス、ベーチェット病、vogt-小柳—原田病、強膜ぶどう膜炎などの難治性ぶどう膜炎に対する免疫抑制剤や生物学的製剤を用いる治療を積極的に行うとともに、稀少な疾患の原因検察を徹底して行います。
眼炎症疾患の内訳は(表1)のとおりです。

表1 日本医科大学多摩永山病院眼炎症外来を
5年間に受診した621人の疾患内訳
(須賀亮太、堀純子、他. 臨床眼科 78(10) 1285-1291, 2024より引用)

疾患 症例数 頻度(%)
強膜炎(上強膜炎を含む) 151 24.3
サルコイドーシス 60 9.7
Vogt-小柳-原田病 32 5.1
ヘルペス性角膜ぶどう膜炎 32 5.1
ベーチェット病 24 3.8
急性前部ぶどう膜炎(HLA-B27+/-を含む) 22 3.5
視神経乳頭血管炎 18 2.8
糖尿病虹彩炎 8 1.2
眼内悪性リンパ腫 8 1.2
サイトメガロウイルス虹彩毛様体炎・角膜内皮炎 6 0.9
間質性腎炎ぶどう膜炎症候群(TINU) 6 0.9
甲状腺眼症 6 0.9
急性帯状潜在性網膜外層症 5 0.8
急性網膜壊死 5 0.8
ポスナー・シュロスマン症候群 5 0.8
リウマチ性疾患随伴ぶどう膜炎 5 0.8
炎症性腸疾患随伴ぶどう膜炎 4 0.6
前部虚血性視神経症(AION) 4 0.6
モーレン潰瘍 3 0.4
多発消失性白点症候群, 急性後部多発性斑状網膜色素上皮症 3 0.4
細菌性/真菌性眼内炎 3 0.4
多発性後極部色素上皮症 2 0.3
結核性ぶどう膜炎 2 0.3
網膜血管炎 2 0.3
地図状脈絡膜症 2 0.3
フックス虹彩異色虹彩毛様体炎 2 0.3
眼窩蜂窩織炎 2 0.3
内頸動脈海綿静脈洞瘻 2 0.3
眼トキソプラズマ症 2 0.3
梅毒性ぶどう膜炎 1 0.1
病型分類不能 194 31.2
合計 621 100.0

HLA:human leukocyte antigen、MS:multiple sclerosis、NMO:Neuromyelitis Optica、SLE:Systemic lupus erythematousus

眼炎症疾患とは

  • ぶどう膜炎

    眼の中に炎症を起こし、かすみや視力低下といった症状を引き起こす病気です。原因は数多く知られていますが、ベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病など全身の病気の一症状として起きる場合と、細菌やウィルスなどの感染により起きてくる場合があります。

  • 強膜炎

    コラーゲンで構成される眼球壁である強膜に炎症を起こし、充血や眼痛、視力低下といった症状を引き起こす病気です。関節リウマチ、ANCA関連血管炎、再発性多発軟骨炎、甲状腺機能異常など、様々な全身の病気の一症状として起きる場合があります。非感染性の強膜炎が多いですが、稀に眼外傷や術後の感染により起きる強膜炎もあります。

  • 視神経炎

    視神経炎とは視神経の炎症の病気です。視野の中心が見にくくなる症状が特徴です。眼球の後ろに痛みがであることもあります。原因は、自己免疫による脳神経の炎症疾患(多発性硬化症や視神経脊髄炎)である場合と、別の原因や、特発性(原因不明)の場合があります。

専門的検査

眼炎症疾患の精密検査は、通常の眼科診察に加えて、蛍光眼底造影検査、静的動的視野検査、光干渉断層計OCT、血液検査と胸部レントゲン、を行います。さらに必要に応じて、眼内液検査、髄液検査、Bモード超音波検査、頭部と眼窩のMRIやCTを行うことがあります。

治療

眼炎症の重症度と原因疾患により治療内容が異なります。一般的に、軽症にはステロイドの点眼や眼周囲注射などの局所治療を行います。再発性や難治性の場合にはステロイドの内服で治療します。原田病や後部強膜炎、視神経炎にはステロイドパルス療法を行います。重症例には、免疫抑制剤(シクロスポリン)や生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ)による免疫抑制療法を行い、視力予後の向上と投薬寛解を目指しています。

担当医 堀、外来担当医
診察日 月曜日、金曜日

多摩永山病院でのみ実施

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