眼炎症外来
(ぶどう膜炎、視神経炎、強膜炎)
月曜と金曜の午前に、眼炎症疾患(ぶどう膜炎、強膜炎、視神経炎など)の患者さまの専門診療を行っています。
特に、サルコイドーシス、ベーチェット病、vogt-小柳—原田病、強膜ぶどう膜炎などの難治性ぶどう膜炎に対する免疫抑制剤や生物学的製剤を用いる治療を積極的に行うとともに、稀少な疾患の原因検察を徹底して行います。
眼炎症疾患の内訳は(表1)のとおりです。
表1 日本医科大学眼炎症外来を8年間に受診した約800人の疾患内訳
(芹澤元子、堀純子、他. 日本眼科学会雑誌 119(5) 347-353, 2015より引用)
疾患 | 症例数 | 頻度(%) |
---|---|---|
サルコイドーシス | 135 | 17.1 |
強膜炎(上強膜炎を含む) | 129 | 16.3 |
Vogt-小柳-原田病 | 37 | 4.7 |
ヘルペス性角膜ぶどう膜炎 | 36 | 4.6 |
HLA-B27関連ぶどう膜炎 | 26 | 3.3 |
球後視神経炎(突発性、MS、NMO) | 21 | 2.7 |
ベーチェット病 | 19 | 2.4 |
視神経乳頭血管炎 | 10 | 1.3 |
トキソプラズマ網脈絡膜炎 | 10 | 1.3 |
ポスナー・シュロスマン症候群 | 8 | 1 |
多発性後極部網膜色素上皮症 | 6 | 0.8 |
サイトメガロウイルス網脈絡膜炎 | 6 | 0.8 |
前部虚血性視神経症 | 5 | 0.6 |
眼内悪性リンパ腫 | 5 | 0.6 |
急性散在性網膜色素上皮症、急性後部多発性斑状色素上皮症 | 4 | 0.5 |
内因性細菌性/真菌性眼内炎 | 4 | 0.5 |
急性網膜壊死 | 3 | 0.4 |
間質性腎炎ぶどう膜炎症候群 | 2 | 0.3 |
サイトメガロウイルス虹彩毛様体炎 | 2 | 0.3 |
結核性ぶどう膜炎 | 2 | 0.3 |
網膜血管炎(リウマチ性、SLE) | 2 | 0.3 |
リウマチ性角膜周辺部潰瘍 | 2 | 0.3 |
レーザー外傷性虹彩炎 | 2 | 0.3 |
膠原病性網膜症(リウマチ性、SLE) | 2 | 0.3 |
視神経乳頭炎 | 2 | 0.3 |
梅毒性ぶどう膜炎 | 2 | 0.3 |
地図状網脈絡膜症 | 2 | 0.3 |
JRA関連若年性虹彩毛様体炎 | 1 | 0.1 |
Fucks虹彩異色性虹彩毛様体炎 | 1 | 0.1 |
トキソカラ眼症 | 1 | 0.1 |
点状脈絡膜内層症 | 1 | 0.1 |
ウェーバークリスチャン病随伴ぶどう膜炎 | 1 | 0.1 |
潰瘍性大腸炎随伴ぶどう膜炎 | 1 | 0.1 |
川崎病随伴ぶどう膜炎 | 1 | 0.1 |
癌関連網膜症 | 1 | 0.1 |
交感性眼炎 | 1 | 0.1 |
大動脈炎症候群 | 1 | 0.1 |
糖尿病ぶどう膜炎 | 1 | 0.1 |
眼窩炎症性偽腫瘍 | 1 | 0.1 |
合計 | 496 | 62.8 |
不明(疑い症例を含む) | 294 | 37.2 |
眼炎症疾患とは
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ぶどう膜炎
眼の中に炎症を起こし、かすみや視力低下といった症状を引き起こす病気です。原因は数多く知られていますが、ベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病など全身の病気の一症状として起きる場合と、細菌やウィルスなどの感染により起きてくる場合があります。
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強膜炎
コラーゲンで構成される眼球壁である強膜に炎症を起こし、充血や眼痛、視力低下といった症状を引き起こす病気です。関節リウマチ、ANCA関連血管炎、再発性多発軟骨炎、甲状腺機能異常など、様々な全身の病気の一症状として起きる場合があります。非感染性の強膜炎が多いですが、稀に眼外傷や術後の感染により起きる強膜炎もあります。
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視神経炎
視神経炎とは視神経の炎症の病気です。視野の中心が見にくくなる症状が特徴です。眼球の後ろに痛みがであることもあります。原因は、自己免疫による脳神経の炎症疾患(多発性硬化症や視神経脊髄炎)である場合と、別の原因や、特発性(原因不明)の場合があります。
専門的検査
眼炎症疾患の精密検査は、通常の眼科診察に加えて、蛍光眼底造影検査、静的動的視野検査、光干渉断層計OCT、血液検査と胸部レントゲン、を行います。さらに必要に応じて、眼内液検査、髄液検査、Bモード超音波検査、頭部と眼窩のMRIやCTを行うことがあります。
治療
眼炎症の重症度と原因疾患により治療内容が異なります。一般的に、軽症にはステロイドの点眼や眼周囲注射などの局所治療を行います。再発性や難治性の場合にはステロイドの内服で治療します。原田病や後部強膜炎、視神経炎にはステロイドパルス療法を行います。重症例には、免疫抑制剤(シクロスポリン)や生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ)による免疫抑制療法を行い、視力予後の向上と投薬寛解を目指しています。
担当医 | 堀、仲野、武田、 木村、山崎、西尾 |
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診察日 | 月曜日 堀、仲野、武田、木村 金曜日 堀、山崎、西尾 |