研修の方針・内容
臨床研修医
【方針】
臨床研修プログラム2年目の選択科目として、最短1ヶ月から最長3ヶ月まで眼科にて臨床研修を受ける事が出来る。
【内容】
一般目標
眼科の基本的な疾患の病態を理解し、検査法、診断法、治療法を理解し習得する。
行動目標
- 病歴を聴取、記録し、必要な検査と診察を計画できる。
- 視力検査、視野検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査ができ、検査結果を理解し診断ができる。
- 基本的な眼科疾患の病態、治療法、予後を説明できる。
- レーザー装置や手術器械の使用法を習得し、顕微鏡下で基本的操作を行える。
- 視覚障害の患者に対する精神的な援助ができる。
学習戦略
- 指導医のもとで、テレビカメラに接続した細隙灯顕微鏡と倒像鏡を用いて外来診療と病棟診療を行う。
- 中央手術室でのライブ映像は医局にも配信され、リアルタイムで説明する。
- 研修医一人当たり20眼の豚眼を使用し顕微鏡手術の練習を行う。
- 毎週のカンファランスで、眼底と蛍光眼底造影写真を提示し説明する。
- 抄読会や、症例検討会での発表を行う。
評価
画像(動画)ファイルを用いた口頭試問。細隙灯顕微鏡検査、眼底検査の実地試験を行う。
臨床研修終了後の入局希望者の研修
【方針】
日本医科大学には本院を含めて4つの付属病院がありますが、各病院の眼科を統合して1つの眼科学教室を構成しています。入局希望者は新卒(スーパーローテーション終了後)、既卒(他科からの転入者)を問わず、原則的に千駄木の本院に入局する形になります。
入局後の2年間は眼科における研修医(専門研修医)として扱われます。初期研修1年目は原則的に千駄木の本院で行い、ある程度の技量を身につけた後、各付属病院や関連病院に転属され、眼科医としての研修を続けます。
2年間の初期専門研修終了後は、引き続き各付属病院や関連病院へ派遣医として出向し、臨床のトレーニングを積みます。また、大学院へ進学して基礎的研究を行うことも可能です。
5年間の専門研修終了後には、眼科専門医試験の受験資格が習得できるように指導しています。
他院で既に眼科医として仕事をされていた方は、この限りではありません。
【内容】
1年目の最初の半年間は眼科における各種基本検査法を修得し、指導医の受け持ち患者の外来および病棟診療を指導医と共に行い、医師としての患者さんへの接し方、診断や治療法を学びます。また、手術室での手術器具の準備の手順や手術介助も学び、ウエット・ラボ(豚眼を使用した手術手技の練習)で手術機器の操作技術を体得するように試みています。半年目からは一般外来で主治医として患者を受け持ち、実際に診療にあたって診断や治療のプランを身に付けるようにしています。同時に、複数の専門外来でも基礎修練を積み重ねるシステムを採用し、幅広い知識の習得を目指しています。
2年目以降は本院および各付属病院や関連病院で指導医の下、外眼部手術、白内障手術およびレーザー治療などの実践的な手技を体得できるように指導しています。
本院眼科には、文部科学省の医学教育マルチメディア装置関連の補助金を得て、外来や手術室のライブビデオシステムが設置されており、学生や医局員の教育に活用されています。
毎週水曜日の夕方に、一週間分のデジタルファイリングされた眼底写真、蛍光眼底写真を提示してのスライドカンファランスや、各自が興味を持った原著論文の抄読会や珍しい症例に対する症例会を行い、医局員の教育や知識の向上を目指しています。また、1年目から国内、海外の学会に参加させ、2年目以降は学会発表も積極的に行うよう指導しています。